日本におけるトイレ

日本人はトイレがとても好きだと思われてもおかしくないくらい、トイレに対して特別な思い入れがあるように感じます。
というのも、日本のトイレはたいてい何処でも綺麗に掃除されているし、商業施設やホテルなどに行くと、驚くほどオシャレで洗練されたデザイナーズトイレに巡り合うことがあります。
そんなに綺麗なところでは排泄行為をするにも緊張するのではないか?と恐縮してしまうほど、日本のトイレは美しいです。

自宅のトイレにもこだわっている人がたくさんいます。
綺麗にしていることはもちろんですが、いかに落ち着いて用を足すか、あるいは閉ざされた空間で自分だけの時間を楽しみたいという欲求からか、トイレに本棚を設置して読書しながら過ごす人、壁紙に世界地図など貼って思いを馳せる人、皆それぞれリラックスしてトイレタイムを過ごそうと工夫しているのです。

トイレの本来の目的はあくまでも”排泄行為”のはずですが、日本人はトイレを快適に過ごしたいという気持ちが強いからか、はたから見ると”トイレが好きなの?”と思われるくらいにトイレ空間にこだわっているのです。

もともと日本のトイレは、歴史を遡ればやはり純粋に”排泄行為”目的のもの、弥生時代あたりから下水道らしき遺構があったことが発見されているので、その時代にはトイレに相当するものが存在したとされています。
ちなみにこのころは”川屋”と呼ばれており、現在でも”厠(かわや)”という表現が残っていますが、その語源です。

飛鳥時代に入ると中国から”おまる”がやってきます。
平安時代にはそれが”ひばこ”と称され貴族たちのあいだで使用されていました。
鎌倉時代には、ひばこと床が一体化され、これが個室となって独立して現在につながるようなトイレ形態が完成したようです。

一般人はしばらく外で用を足す時代が続きます。
平安時代には排泄物が肥料として使用されるようになり、農業が盛んになると”肥溜め”として小屋をつくるようになります。

室町時代には貴族や武士の家では和室風トイレが登場、臭い消しとしてお香や花が置かれるようになります。
ちなみに、このように完成されつつあるトイレが一般庶民のあいだにも浸透するのは江戸時代といわれています。


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